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Sunday, April 30, 2023

小麦粉の代替品に!「米粉」を使うメリットとおすすめレシピ - COSMOPOLITAN(コスモポリタン)

日本人の食生活が変容を遂げ、お米の消費量が年々減少し続けるなか、日本の食料自給率UPの救世主として期待される「米粉」。近年は小麦の価格高騰により、小麦の代替品として、そしてお米の新しい食べ方として、急速に脚光を浴びています。

今回は、米粉の特徴や種類、小麦粉との違い、米粉を使うメリットやおすすめレシピについて、菜食コンサルタントのYukaさんが解説していきます。

【INDEX】


米粉とは

米粉は、その名のとおり、お米を細かく挽いて粉状にしたもの。日本では奈良時代からお団子やせんべい、和菓子などの材料として使われてきた馴染み深い食材です。現在は製粉技術の発達により粒子の細かい米粉の製造が可能になったことで、従来は小麦粉を主原料に作られてきたパンや麺類、焼き菓子などの代わりの材料としても重宝されています。

また、日本の小麦の国内自給率が14%なのに対し、主食用の米は100%。日本の米製品はほとんど国産のものでまかなわれています。小麦の代わりとなる米粉が普及すると、小麦の価格高騰のダメージ軽減や、日本の全体的な食料自給率の向上につながる可能性もあるのです。

directly above shot of food in bowl on table

Brent Hofacker / 500pxGetty Images

米粉の種類

日本で古くから使われてきた米粉は、うるち米から作る「上新粉」やもち米から作る「白玉粉」、桜餅やおはぎを作るための「道明寺粉」、大福餅やもなか、求肥を作るための「餅粉」など、和菓子用のものだけでも数多くの種類があります。

ですが、話題になっている「米粉」は上新粉や白玉粉とは異なった新しいタイプの米粉。うるち米を水洗いしたあとに特殊製法により小麦粉程度まで細かく粉砕し、従来の米粉の代用品として使うことができるような製品です。

そこで今回は、現在よく使われるようになった、小麦粉の代わりになる様々な米粉をご紹介していきます。

一般的な米粉

比較的きめが細かく、パンや麺類、お菓子、天ぷら、その他の料理などで使いやすい米粉です。製パン用や製菓用の米粉と比べるときめが粗く、繋ぎが良くないものも多いですが、幅広い用途で使いやすい製品です。

パン用米粉

美味しくパンを作れるように原料選定、配分調整、製粉のされた米粉。なかには、もち米を使用することでパンのもっちり感を作り出せるように改良された米粉などもあります。

製菓用米粉

主にケーキやクッキーなどの焼き菓子用の素材として開発された米粉で、非常に細かな粉に加工されています。うるち米を100%使っていることがほとんどで、より軽やかで繊細な食感を出すのに向いています。

玄米粉

一般的な米粉は白米を使って製造されていますが、精米しないことで玄米の栄養をそのまま残している「玄米粉」。玄米の栄養素の80%以上は、白米に精米するときに削られてしまう“糠”の部分に集中していると言われています。そのため、精米をしない玄米粉は、一般的な米粉よりもビタミン・ミネラル・食物繊維・タンパク質などの栄養素が豊富なのです。

また、玄米粉は製粉・焙煎して作られるため、焙煎の度合いで色合いや風味が異なり、香ばしさを活かしたパンやお菓子が作れます。

米粉ミックス粉

お米100%の米粉だと、どうしても小麦で作られている食べ物とは違う食感や味わいになってしまうことも。

一方、米粉ミックス粉はパンを美味しく作れるようにグルテンを添加することで強力粉と完全置換できるようにしたものや、お菓子を作るためのミックス粉に米粉を混ぜたものを指します。近年はグルテンフリーな食生活を取り入れている方も多いため、小麦粉を一切使わない、米粉をベースにしたミックス粉も増えてきいます。

raw organic rice flour in bowl over rustic wooden table

GilnatureGetty Images

米粉と小麦粉の違い

小麦粉の代用として使われるようになってきた米粉ですが、小麦粉とはどんな違いがあるのかについて、3つのポイントを解説します。

1.食感

米粉と小麦粉の最もわかりやすい違いは「食感」。米粉と小麦粉は共にもちもちとした食感が特徴ですが、米粉はよりしっとりと潤いのあるようなもちもち感で、小麦はふわふわと弾力感のあるもちもち感です。

このもちもち感の違いは、それぞれの粉の成分の違いから生まれます。米粉特有のもちもち感は、お餅のもちもち感を生み出すデンプンの一種であるアミロペクチンによるもの。また、小麦粉に比べて水を吸収しやすいことから、しっとり感も加わり、もっちり・しっとりとした食感になり、より重量感を感じやすくなります。

それに比べて小麦粉特有のもちもち感は、タンパク質の一種であるグルテンが由来しています。グルテンには空気をキャッチし膨らみやすいという特徴があるため、これによって、ふんわりと弾力感のあるもっちり食感が生まれます。

2.油の吸収率

2つ目の米粉と小麦粉との違いは、「油の吸収率」。米粉の油の吸収率は21%ほどと言われ、小麦粉の油の吸収率の38%と比べると、かなり低くなっています。そしてこの違いは、食品の仕上がりや出来上がったときのカロリーに影響を及ぼします。

たとえば、天ぷらなどの揚げ物を作るときに米粉を使うと、余分な油を吸いにくいため時間が経ってもベチャッとしにくく、サクサクと軽い食感を味わえます。

さらに米粉は揚げる際に吸収する油の量も少ないので、摂取カロリーを押さえることができ、ヘルシーに揚げ物を楽しむことができます。

3.グルテンの有無

米粉と小麦粉は、グルテンの有無にも違いがあります。たんぱく質の一種であるグルテンは、米粉には含まれていません。

食感の違いの解説時に少し触れましたが、小麦粉は水を加えてこねることで、グルテンという粘りのもととなるタンパク質を作りだします。グルテンは小麦を使って作る麺特有の美味しさでもある、モチモチとした食感やコシを出すことを叶えてくれるほか、パンなどを作るときに膨らみやすいというメリットもあります。ただその一方で、グルテンに対してアレルギーをもっている人も存在します。

また、グルテンの中に含まれているグリアジンという物質は食欲を増進させる働きをもち、パンや麺類、ケーキを食べ終わった後に、「あともう1個食べたい」「もう少し食べたい」と感じさせるような作用もあります。

woman kneading dough

Adam GaultGetty Images

米粉と小麦粉の栄養素の違い

白米の主な栄養素は炭水化物タンパク質ビタミンB1ビタミンB6ビタミンEなどの栄養素で、米粉はその白米を粉状にしたものなので、同じ栄養素が含まれています。ここからは、米粉と小麦粉を比べると、どのような栄養素の違いがあるのか見ていきましょう。

小麦粉と米粉では、栄養成分表で見るとカロリーやタンパク質、炭水化物などに大きな差はありません。米粉に含まれるタンパク質は小麦粉よりやや少なめですが、タンパク質を体内で利用するために必要な必須アミノ酸は、アミノ酸スコア(※)の結果をみると、小麦粉よりバランスよく含まれていることがわかります。

また米粉は低GI食品と言って、食後の血糖値が急激に上がりにくいという性質をもつ食品です。一方で、小麦粉を使った食パンなどはGI値が高く、食後の血糖値が急激に上がりやすくなり血管に負担がかかってしまうため、動脈硬化などを引き起こしやすくなります。

ほかにも、カロリーが脂肪として身体に蓄積されやすくなってしまうなどの懸念点も。そのため、同じパンや麺類であっても、低GI食品の米粉を使って作られているもののほうが、健康志向の方にはよりおすすめだと言えます。

※タンパク質に必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを数値化したスコアを「アミノ酸スコア」と言い、100点満点で点数付けして、100に近い状態であるほど必須アミノ酸の配合バランスが良いことになります。米粉はそのスコアが65、薄力粉(小麦粉)は38~44だとされています。

rice flour is a flour made from finely ground rice

RHJGetty Images


米粉を使用するメリット

デンプン質を主成分とする米粉は吸水性が高く、もちもち、しっとりとしていて、揚げるとサクッとした食感になるのが特徴です。そんな米粉を食材として使うメリットを見ていきましょう。

クセがなく料理に使える幅が広い

米粉はクセのない味わいなため、パンからスイーツ、料理にまで万能に応用が可能。たとえば、米粉を生地として他の材料と混ぜるとき、小麦粉より粉っぽく感じることがあるかもしれませんが、米粉は吸水性が高くゆっくりと水分を吸っていくので、混ぜていくとだんだんなめらかになっていきます。

そのため、ケーキやマフィンなどの水分が多めの焼き菓子を作るときは、材料を混ぜ合わせてから少し時間を置いて焼くと、よりふんわり・しっとりとした仕上がりになりやすいです。ほかにも、クッキーを作る際に米粉を使えば、ザクザクとした食感を楽しめるのも嬉しいポイントの1つ。

さらに米粉はとろみをつける作用があるので、料理に使うときは、あんやスープなどに加えればとろりとした食感にすることができ、ホワイトソースやシチューを作るときに小麦粉の代わりに豆乳で溶いた米粉を混ぜるだけで、簡単にとろみがつきます。

焼き物なら表面に米粉をまぶして焼くと香ばしくなるうえ、油の吸収を抑えてタレの絡みを良くすることが可能に!

粉をふるわず簡単に使える

米粉は小麦粉と違いグルテンが入っていないことから、サラサラしていてダマになりにくく、水にも溶けやすいです。そのため、お菓子作りで定番の工程である「粉をふるう」という作業が必要ありません。

水などで溶くときにもダマにならず滑らかに仕上げられるため、料理のとろみつけや天ぷらの衣にするのも◎。

国産の安心安全な食材

国内産の米粉は添加物などが使われていないため、体の健康のためにも安心して食べられるうえ、国内の食料自給率アップにもつながる嬉しい食品です。

パンやクッキー、ケーキなどは小麦粉で作られていますが、小麦粉はほとんどが輸入に頼っており、米粉を代替品として使用することは日本の農業を守ることにもつながります。

さらに、小麦をベースとしたパスタやパン、ピザやハンバーガーなどの欧米諸国由来の食品たちの普及は、日本のお米の消費量の減少につながっており、その結果使われない水田が増えてきているという問題も発生しています。

“自然のダム”とも言われる水田を守ることは、水害などの自然災害を防ぐとともに、そこに住む生物や文化、景観を守ることにもつながるため、「米粉」という新しい形でお米を積極的に消費していくことは、日本の農業と自然を守ることにも貢献できると言えます。

a family harvesting organically grown rice and a family friend helping them

Susumu YoshiokaGetty Images

腹持ち・満足感

米粉を使って作る食べ物は、もっちり・しっとりとした食感が特徴で、粘りや歯ごたえによって咀嚼回数が増えるため、満腹中枢が刺激されて満腹感を得やすいです。また米粉は低GI食品ということもあり、食後の空腹感を防いでくれます。

一方先述したように、小麦粉に含まれるグルテンには、グリアジンという食欲を増進させる作用があるため、本当はお腹が満たされているのに何となく食べ続けてしまう現象が起きてしまうことも。このことから、小麦粉を使った食品よりも米粉を使った食品のほうが、ダイエット中の方におすすめだと言えます。

グルテンフリー

米粉はグルテンが入っていないため、セリアック病の人や、小麦アレルギー・グルテンアレルギーの人、グルテン過敏症の人にとって最適な小麦粉の代替品です。

体質的にグルテンが問題ない人であっても、腸内環境の悪化や、倦怠感、頭痛、肌荒れなどの症状を感じるという人も一定数いることから、小麦などのグルテンを含む食材を摂取しない「グルテンフリー」の選択をする人も増えています。

ケーキやパン、クッキー、パスタ、その他の麺類にはグルテンが含まれているため、今までは、グルテンフリーな生活をしている人は、かなり制限がある食生活になっていましたが、米粉の普及とともに様々な食事を楽しめるようになってきました。

over the shoulder view of young woman taking out freshly baked cookies from the oven

Oscar WongGetty Images

米粉を使ったおすすめレシピ

米粉は使用用途が幅広く、色々な使い方ができるのですが、今回はおうちで手軽にグルテンフリーのスイーツが食べられる、とってもおすすめなクッキーの作り方をご紹介!

米粉で作る、ザクザク食感の「アイスボックスクッキー」

freshly baked sugar cookies on white background

HONG VOGetty Images

材料:20枚分

  • 植物性マーガリン:100g
  • 甜菜糖(粒が細かいもの):60g
  • バニラエッセンス:2-3滴(なくてもOK)
  • 植物性ミルク:小さじ1/2
  • 塩:小さじ1/8
  • 米粉:135g

手順:

  1. 植物性マーガリンをボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜて柔らかくする。
  2. 米粉以外の材料を足し、ふわふわのクリーム上になるまでよく混ぜる。
  3. 米粉を足し、ゴムベラで全体がよく混ざるまでさっくりと混ぜ合わせる。
  4. 手でこねて生地をまとめ、ラップの上に生地を乗せたら、棒状に形成して冷凍庫に入れる。
  5. 最低1~2時間は冷凍庫でねかせて、生地が完全に固まったら、7~8mmの薄さにスライスする。
  6. クッキングシートを敷いた天板に切った生地を並べ、170度に予熱したオーブンの下段で16分焼く。
  7. よく冷ましたら完成。

小麦粉で作るアイスボックスクッキーよりもザクザクとして食べ応えのある、でも後味は軽やかで重さがない、お米の優しい風味を感じられるクッキーが出来上がります。

空いている時間に生地だけ作っておいて、甘いものが欲しくなった時に冷凍庫から生地を出して切って焼くだけで焼きたてのクッキーを食べられるので、常に冷凍庫に生地をストックしておくのもおすすめ。


古くから日本人の食生活に欠かせないお米は、時の流れとともに「米粉」となって、新しいお米の取り入れ方として少しずつ現代人の食生活に馴染みつつあります。

「今まで意識して取り入れたことがなかった」という人は、この機会に是非色々な料理を通して味わってみて。

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April 25, 2023 at 06:59PM
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