最高裁第2小法廷は、インターネット動画投稿サイト「FC2」でわいせつ動画を配信したとして、わいせつ電磁的記録陳列と公然わいせつの罪に問われた運営会社の当時の社長足立真被告(45)と、元社長高橋人文被告(44)の上告を棄却する決定をした。1日付。いずれも懲役2年6月、執行猶予4年、罰金250万円とした一、二審判決が確定する。

弁護側は、捜査機関が国際捜査共助を回避するため、海外のサーバーにある電磁的データを令状によらず取得して証拠にしたのは違法だと主張した。これに対し、草野耕一裁判長は「データを保管した記録媒体がサイバー犯罪条約締結国にあり、アクセス権限を持つ人が同意した場合、国際捜査共助によることなく複写できる」と判断し、捜査機関の手続きに重大な違法はないと結論付けた。

一、二審判決によると2人は共謀し、2013年、登録会員の男性らが投稿した無修正のわいせつ動画を利用者に閲覧させるなどした。

京都府警と三重、島根、山口、高知各県警の合同捜査本部が15年に2人を逮捕した。京都地裁が17年に有罪を言い渡し、大阪高裁も支持した。(共同)