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Friday, September 9, 2022

政府 物価高騰受けて追加策決定 関西での受け止めは|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

物価の高騰をめぐる動きです。
政府は9日、対策本部を開き物価高騰を受けた追加策を決めました。
具体的な追加策は、▼電気やガス、食料品などの値上がりで生活に困っている人たちを支援するため、住民税が非課税の世帯を対象に1世帯あたり5万円を給付します。
また、▼ガソリンなどの燃料価格の上昇を抑えるため、石油元売り各社に支給している補助金を年末まで継続します。
そして、▼食料価格の高騰対策として、政府が売り渡す輸入小麦の価格を来月以降もいまの水準に据え置く方針です。
政府の追加策について、関西でもさまざまな声が聞かれました。

【神戸の中華料理店は】
政府が輸入小麦の売り渡し価格を据え置くことについて、豚まんが名物の神戸市の中華料理店は歓迎する一方、ほかの原材料も値上がりしていることから経営は依然として厳しいとしています。
神戸市中央区の中華料理店では、一日に1500個ほどの豚まんを販売していて、その生地を作るのに一日におよそ60キロの小麦粉を使っています。
小麦粉の仕入れ価格はこの1年で2回値上がりしていて、年間の小麦粉代は80万円ほど増加したということです。
このため、店ではことし5月に豚まんを15円値上げしましたが、その後、売り上げは大きく落ち込んでいるということです。
また、小麦粉以外にも、中華めんや油の仕入れ価格も上がっていて、輸入小麦の価格が据え置かれたとしても、経営は依然として厳しいとしています。
中華料理店「四興楼」の葉少青さんは、「価格の据え置きはうれしいが、ほかの材料の値上がりもあり、先行きが見通しづらい。物価が上がってお客さんの生活も大変な状況だと思うので、大衆向けの中華料理屋としてなんとか値上げをせずに頑張りたい」と話していました。

【原油高で伝統の京友禅も打撃】
原油価格の高騰が続く中、京都の伝統産業である染め織物「京友禅」の業界では、生産工程で使う燃料のコストが大幅に上がっています。
しかし、着物需要が低迷しているため価格に転嫁することは難しく、苦しい経営が続いています。
京友禅は、生地を染める地染めや色挿しなど10以上の工程に分かれていて、このうち、染料を定着させる工程を受け持つ京都市右京区の会社では、生地を蒸したり乾燥させたりするためボイラーの使用が欠かせません。
しかし、ボイラーに使うガス代が膨らんでいて、去年の同じ時期よりも2.5倍、ことしの春と比べても2倍ほどに上がり、現在は月に500万円ほどにのぼっています。
このほか、作業で使う機械の電気代も値上がりしているほか、円安で洗剤などの価格も上がっているため、利益が出なくなっているということです。
京友禅の昨年度の生産量は、ピーク時の1971年度(昭和46年度)の1.6%にまで激減し、コロナ禍による行事の中止などで着物需要がさらに低迷する中、生産コストを価格へ転嫁することは難しく、苦しい経営が続いています。
株式会社「広海」の澁谷實 社長は、「コロナによる着物需要が回復しない中での原油高、物価高で本当に苦しいですが、やめれば伝統産業が途絶えることになるのでなんとか乗り切るしかありません」と話していました。

物価の高騰について先が見えない中、岸田総理大臣は対策本部で、「物価・景気の状況に応じて切れ目なく大胆な対策を講じていく」と述べ、関係閣僚に対し、この秋に新たな経済対策をまとめるよう指示しています。

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