本来、うどんは小麦粉を主原料とし、小麦特有のタンパク質・グルテンがつなぎの役割を果たして独特のこしを生む。米粉の麺はグルテンを含まないため切れやすく、ゆで溶けるといった難点があった。同社はグルテンの代わりにキャッサバのでんぷん(タピオカ)など粘弾性がある植物由来の添加物を採用。独自の割合で配合することでデメリットを克服した。
販路開拓に向け、自社に製麺機を導入しサンプルの冷凍うどんを試作。2022年から飲食店向けの展示会などに持ち込み、アピールしたところ「通常のうどんに引けを取らない」「グルテン摂取を控えたい外国人観光客らのニーズに応えられる」と引き合いが強く、広島県の飲食店などと商談が進んでいる。
通常の製麺機でも打てるが、うどんの本場である香川県の老舗製麺機メーカーとタイアップし、米粉うどん用推奨機の開発も計画。粉だけでなく、製麺機や製麺ノウハウとともに、全国の外食店や製麺業者に売り込んでいく。価格は10キロ1万円程度の予定で、同社によると、1食当たりの原価は100円以下に抑えられる。
サンプルとして試作した冷凍うどんは自社で商品化した。1袋150グラム入りで税別300円。今月から直営の米粉パン専門店「大元工房」(岡山市北区野田)で販売を始めた。顧客からは「小麦アレルギーの子どもでも安心して食べられる」との声が寄せられているという。
農林水産省の22年度の「食生活・ライフスタイル調査」によると、夏場の主食は米39%、パン21%、麺類15%。麺類も食卓に欠かせない存在となっている。
同社は既に第2弾となるパスタ用プレミックスの開発に着手。今後は中華麺用も予定している。米粉事業部の田中満部長は「アレルギー対応だけでなく、健康や美容面からもグルテンフリーが注目される中、“脱・小麦”の市場はさらに拡大するだろう。当社がプラットフォームの役割を果たし、米粉の活用を広げたい」と話す。
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June 19, 2024 at 12:53AM
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岡山県産米粉のうどん粉開発 シーワン 麺用の調製粉を本格展開:山陽新聞デジタル|さんデジ - 山陽新聞デジタル
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