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日本銀行は18、19日の金融政策決定会合で、ゼロ%を中心に上下0.2%程度としている長期金利の変動を認める幅を、0.25%程度とする方向だと日本経済新聞が伝えた。
日経によると、低金利環境を維持しつつ市場機能も働きやすくし、金融機関の収益改善につなげる。上場投資信託(ETF)の買い入れは年6兆円とする目安をなくし、市場の混乱時にのみ購入する姿勢を明確にする見通しだという。
報道を受け、長期国債の新発10年物利回りが急上昇した。株式市場では、銀行や証券・商品先物取引、保険など金利上昇メリット業種への買いが膨らんで上昇率上位となった。東京外国為替市場では円高が進み、一時108円63銭と12日以来の水準になった。
ブルームバーグによるエコノミストへの 調査では、変動幅を拡大するとの見方は2割にとどまっていた。一方、9割がETF購入を市場の状況に合わせて調節する方法に変更するとみていた。
明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミストは、「日銀が長期・超長期ゾーンをもう少し動かしたいということははっきりしている」と指摘。「銀行の収益が圧迫されているため、日銀としてはイールドカーブをもう少しスティープ化させたいということだろう」と述べた。
長期金利の変動幅を巡っては、黒田東彦総裁が5日の国会答弁で、「拡大する必要があるとは考えていない」と発言。8日には雨宮正佳副総裁が「緩和効果が損なわれない範囲内で金利はもっと上下に動いてもよい」と述べ、正副総裁発言の温度差に市場が混乱する一幕があった。
日銀は2018年7月の金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の持続性を高める措置として、長期金利の一定の変動を許容する方針を打ち出した。会見で黒田総裁は、長期金利の変動許容幅について、それまでのゼロ%を中心とした上下0.1%程度から「その倍程度に変動し得ることを念頭に置いている」と発言し、市場では上下0.2%程度がレンジと受け止められていた。
決定会合では、YCC運営やETFなど資産買い入れ方法見直しが検討対象となる。日銀は昨年12月の 会合で、2%の物価安定目標の実現に時間を要する状況を踏まえ、現在の枠組みの下で「より効果的で持続的な金融緩和」に向けた各種施策の点検を行うと表明した。
(株式市場の動きを追加します)
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