2021年03月05日20時22分
ＮＴＴによる総務省幹部接待問題で、同省の谷脇康彦総務審議官は５日の参院予算委員会に出席し、携帯電話料金引き下げの検討作業を具体化しつつあった２０１８年９月のＮＴＴ幹部との会食の際の話題について、「詳細には記憶していないが、携帯電話の話も出るのは自然」と認めた。立憲民主党の白真勲氏への答弁。同社幹部が利害関係者であるとの認識も明確にした。
この会食に先立つ同年８月、官房長官だった菅義偉首相は、携帯電話利用料の「４割値下げ」に言及。同１０月には、総務省が携帯電話市場の規制改革に向けた研究会を設置している。谷脇氏は当時、携帯電話業界を所管する総合通信基盤局長を務めていた。
共産党の山添拓氏は、同省の検討作業が本格化する直前の関連業者による「高額の接待」を問題視。谷脇氏は「研究会に恣意（しい）性はなかった」と強調、「会食をしたことが、携帯電話市場の改革に関する議論に影響を与えたことはない」と釈明した。
また、谷脇氏は会食でのやりとりに関し「競争促進が必要との自説を述べた」と説明し、「携帯電話の話をすること自体は否定されるものではない」と主張した。
一方、首相の長男正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」に関し、立憲民主党の小西洋之氏は、０９年に同社創業者から首相に１００万円の献金があったと指摘し、衛星放送の許認可で便宜を図るよう依頼を受けたのではないかと追及。首相は献金について「事務所で確認できていない」とし、「依頼を受けたことは一切ない」と述べた。
山添氏は、首相が総務相時代に掲げたＮＨＫ改革を通じ、衛星放送分野で東北新社の事業拡大が容易になるよう環境整備をしたのではないかとただした。首相は、自らが取り組んだのは受信料の値下げだとして、「（衛星）放送のそうしたことに全く私は興味がなかった」と反論した。 
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