日本銀行は18日の金融政策決定会合で、金融機関の気候変動対応投融資をバックファイナンスする新たな資金供給制度の導入を決めた。7月会合で骨子を公表し、年内をめどに実施する。
気候変動問題は、中長期的に経済・物価・金融情勢に極めて大きな影響を及ぼしうると指摘。民間の対応を支援することはマクロ経済の安定に資するとし、中央銀行として「市場の中立性に配慮しながら行うことが重要」としている。
成長分野の企業を支援する現行の成長基盤強化支援資金供給制度の後継と位置付ける。
気候変動問題を巡っては、世界の中央銀行や金融当局は金融システム安定の観点から対応を進めており、先行する欧州では金融政策運営での取り組みも検討されている。日銀も新たな資金供給制度の導入によって金融政策面での対応に踏み込むことになる。
黒田東彦総裁は5月27日に行ったブルームバーグとの単独インタビューで、気候変動問題は中央銀行の使命に関わる重要な課題とし、金融政策面での対応も「当然議論になる」と言及。金融政策で取り組む可能性を従来よりも明確に打ち出していた。
気候変動問題、金融政策での対応を議論へ-日銀総裁インタビュー
会合では、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの期限を2022年3月末まで6カ月間延長することも決めた。金融政策運営は現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する。
企業の資金繰りについては、ひところより改善しているものの感染症の影響からストレスのかかる状況が続くとみられるとしている。
29日に任期満了を迎える政井貴子審議委員は、長短金利操作の維持やコロナ対応プログラムなどの延長に関する採決を棄権した。飛島建設や三菱ケミカルホールディングスの取締役候補となっており、日銀によれば、金融政策に関する意思決定の中立性、公正性をより明確にする立場から、自身の意思で棄権した。
政策運営方針 |
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(政井委員の棄権の理由を追加します)
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