大手電機メーカーの三菱電機で明らかになった空調装置などの検査不正は、2日杉山武史社長が辞任の意向を示し、経営トップの引責辞任に発展しました。会社は今後、詳細な調査を行い再発防止策をまとめる方針ですが、検査不正を繰り返してきた組織風土を抜本的に改善できるかが問われそうです。
三菱電機では、長崎県の工場で製造している鉄道用の空調装置や列車のブレーキなどに使われる空気圧縮機の検査で、30年以上にわたり不正が行われていたことが明らかになり、杉山社長は2日の記者会見で、7月中にも責任をとって辞任する意向を示しました。
長崎県の工場では、調査を受けた160人の従業員のうち課長クラスを含む30人程度が不正を知っていたほか、適正な検査を装うため別の検査データを転用するソフトもあり、会見で杉山社長は「組織的な不正行為だったと認めざるを得ない。自分たちの技術力などを絶対視するおごった考えが根っこにあり、偽装と捉えざるを得ない」と述べました。
三菱電機では過去にも検査不正がたびたび発覚し、3年前にはすべての事業所を対象に点検を行いましたが、今回の不正は見抜けませんでした。
会社は今後、外部の弁護士らによる詳細な調査を行い、ことし9月にも再発防止策をまとめることにしています。
会社では検査の不正以外にも、上司からのいじめを訴える趣旨のメモを残して社員が自殺し労災と認定されるなど深刻な労務問題が相次いでいるだけに組織風土を抜本的に改善できるかが問われそうです。
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