3月10日、人気FPSタイトル『Apex Legends』のNintendo Switch版が配信開始となった。
これまでPC(Steam/Origin)やPlayStation4、Xboxといった、コア層向けのプラットフォームでリリースされてきた同タイトル。これらに比べ、ややカジュアルなスペックであるNintendo Switchでの移植には、発表当初から議論が巻き起こっていた。
本稿では、『Apex Legends』Nintendo Switch版の課題点と、配信開始を機に再燃する議論について取り上げる。
“クロスプレイの実装”がプレイヤーの体験に落とす影
一聴した印象では、デメリットなどないようにも感じる『Apex Legends』のNintendo Switch(以下、Switch)への移植。議論の多くは、Switch版リリースと同時におこなわれたクロスプレイの実装に端を発している。
クロスプレイとは、協力・対戦要素を持つタイトルにおいて、プラットフォームの垣根をまたいでマルチプレイをおこなえる仕様のこと。実装していない場合、それぞれのプラットフォーム内という狭い範囲でプレイヤーを探さなければならないため、マッチングに時間がかかる可能性を孕む。その一方で、チーム対戦をベースにしたタイトルでは、ハードのスペック差に起因するプレイヤースキルの限界が、チーム内の不和の原因となるケースも多い。クロスプレイの実装をめぐっては、長所・短所をどう捉えるかによって、賛否が混在している状況がある。
ご存知のとおり、『Apex Legends』は、3人のプレイヤーでチームを組んで戦うシューティング・バトルロイヤルだ。不利とされるハードでプレイするメンバーを、“勝利の足かせ”と考える人間もなかにはいる。こうした他プラットフォームに対する不信感が、クロスプレイ実装の議論をヒートアップさせ、プレイヤー間に軋轢を生じさせている。
また、同一プラットフォームでチームを組む場合にも、クロスプレイの課題は横たわる。他チームとのあいだに差が生まれかねないためだ。実際にTwitter上には、Switch版で遊ぶ敵プレイヤーの拙い動きを嘲笑するような投稿もある。リリースから間もない現在ですら、このような動きが散見されるのだから、今後ハード間の格差は諸々の問題に飛び火していくに違いない。
格差解消をねらった特定ハード限定の仕様が、さらなる火種となるケースも
こうしたプラットフォーム間の格差(フラットな言い方をすれば、インターフェースの違い)に対し、開発側は、特定ハード限定の仕様を盛り込むことで公平化をねらう。今回のSwitch版で言えば、ジャイロ操作の実装がその最たる例だ。しかしながら、この対応策にも不安がないわけではない。これまで数々のタイトルで繰り返されてきた限定仕様の実装も、時として論争の火種となる場合があるのだ。
たとえば、『Apex Legends』が分類されるシューティングのジャンルでは、エイミング(敵に照準を合わせる行為)に関する仕様をめぐり、PC/家庭用ゲーム機のプレイヤーのあいだで議論が巻き起こることがある。一般に有利とされるマウスを使ったエイミングに対し、家庭用ハードには、多少のズレを補正する、「エイムアシスト」と呼ばれる機能が搭載されやすいためだ。本来はプラットフォーム間の格差に配慮する目的で盛り込まれたはずのこの仕様だが、「PCなのに」「エイムアシストがあるのに」といった、ネガティブな言い争いの発端となるケースが珍しくない。開発側の意図とは別のところで、問題がひとり歩きしている実態がある。
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科学&テクノロジー
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